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2015/1/21

経済産業情報

スイスフラン高、独メーカーに不利益な面も

この記事の要約

ドイツ機械工業連盟(VDMA)は16日、スイスフランの急騰は独製造業の追い風になるものの、マイナスの影響も避けられないとの見方を発表した。スイス国立銀行(中央銀行、SNB)が15日にフラン高防止政策の中止を打ち出した結果 […]

ドイツ機械工業連盟(VDMA)は16日、スイスフランの急騰は独製造業の追い風になるものの、マイナスの影響も避けられないとの見方を発表した。スイス国立銀行(中央銀行、SNB)が15日にフラン高防止政策の中止を打ち出した結果、フランの対ユーロ相場が急上昇したことを受けたもので、厳しい対応を迫られる独企業も出てくると予想している。

VDMAはフラン高のプラス面として、ドイツを含むユーロ圏の企業の競争力が高まることを挙げた。スイス企業に対する価格競争力が全世界で高まり、スイス向け輸出も拡大が予想されるためだ。

VDMAによると、ドイツからスイスへの機械輸出高は約50億ユーロ(スイスの機械輸入総額の46%)に上る。スイスのドイツ向け機械輸出高も約50億ユーロであり、両国の機械貿易収支はバランスが取れている。フラン高が定着するとドイツの出超となる可能性が高い。

ただ、スイス向けの輸出については、フラン高で同国メーカーの業績が悪化するため、伸び率が押し下げられる可能性がある。

スイスから部品・部材を輸入している独メーカーは調達コストの上昇に直面することになる。スイス以外のサプライヤーに乗り換えることである程度、影響を緩和できるものの、スイス企業への依存度が高いと相殺出来る範囲も限られ、利益が強く圧迫される恐れがある。

スイスに子会社を持つ独メーカーが多いこともマイナス材料となる。フラン高が長期化すると、同国での生産を前提とする事業モデルを維持できなくなる恐れがあるためだ。

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