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2015/1/21

経済産業情報

中国の対欧州M&A、14年は07年の3倍に

この記事の要約

コンサルティング大手アーンスト・アンド・ヤング(E&Y)が16日発表したレポートによると、中国企業が2014年に欧州で実施した企業買収・出資(年末までに買収・出資手続きが終了しなかった案件を含む)は計163件と […]

コンサルティング大手アーンスト・アンド・ヤング(E&Y)が16日発表したレポートによると、中国企業が2014年に欧州で実施した企業買収・出資(年末までに買収・出資手続きが終了しなかった案件を含む)は計163件となり、前年の135件から21%増加した。07年(51件)に比べると3倍以上に拡大しており、中国企業のM&A活動が欧州で急速に増えていることが分かる。

国別でみるとドイツ企業を対象とするものが最も多く、前年の28件から36件へと増加した。2位は英国で、前年と同じ26件だった。3位はフランス(13件)、4位はイタリア(11件)、5位はスペインとオランダ(ともに10件)となっている。

ドイツ企業を対象とする買収・出資が最も多かったのは機械などのインダストリー分野で、前年と同じ11件に達した。これに自動車の8件(前年5件)、テクノロジーの6件(同3件)が続く。英国企業では不動産(4件)、フランス企業ではホテル(4件)が多い。

対独M&Aの件数を投資元国別でみると、中国は米国(159件)、スイス(70件)、英国(62件)、フランス(53件)、オランダ(39件)に次いで6番目に多かった。日本は前年の23件から26件に増加し、9位から7位に浮上した。

中国企業はドイツ企業の技術的なノウハウや人材、国際的な事業のネットワーク網を特に獲得したい考えだ。独企業を買収した中国企業はプラス効果を引き出していることもあり、独でのM&A活動は今後さらに強まるとみられる。