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2015/1/21

経済産業情報

ティッセンクルップがDBに賠償、エレベーターカルテルで

この記事の要約

エレベーターのカルテルを結んでいた独ティッセンクルップが被害者のドイツ鉄道(DB)に賠償金を支払うことで合意した。『南ドイツ新聞』が報じ、DBが追認したもので、同紙によると支払額は2,000万ユーロに上るもようだ。ティッ […]

エレベーターのカルテルを結んでいた独ティッセンクルップが被害者のドイツ鉄道(DB)に賠償金を支払うことで合意した。『南ドイツ新聞』が報じ、DBが追認したもので、同紙によると支払額は2,000万ユーロに上るもようだ。ティッセンクルップは鉄道レールのカルテルでもDBに賠償金(推定1億5,000万ユーロ)を支払っている。

ティッセンクルップとオーティス(米)、シンドラー(スイス)、コネ(フィンランド)、三菱電機子会社の三菱エレベーター・ヨーロッパ(オランダ)は1995年から2004年にかけてドイツ、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの4市場(三菱エレベーターはオランダ市場)におけるエレベーターとエスカレーターの販売・保守サービスの入札で談合を繰り返し、価格を吊り上げていたとして、2007年に総額9億9,230万ユーロの制裁金支払いを欧州連合(EU)の欧州委員会から命じられた。ティッセンクルップの制裁額は全社で最高の4億7,966万9,850ユーロとなっていたが、その後の裁判で3億1,978万ユーロに引き下げられている。

DBによると、カルテルに参加した他の企業は損賠支払いを求めるDBとの交渉を拒否しているという。

ティッセンクルップはエレベーターカルテルで被害を受けた建設会社や自治体などからも今後、損賠支払いを要求される可能性がある。