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2015/1/21

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フォスロー―筆頭株主がTOBへ―

この記事の要約

鉄道設備大手フォスロー(ヴェルドール)の筆頭株主ハインツヘルマン・ティーレ氏(監査役会長)は20日、同社に対する株式公開買い付け(TOB)方針を明らかにした。フォスローへの影響力を高めることで、同社が昨年12月に打ち出し […]

鉄道設備大手フォスロー(ヴェルドール)の筆頭株主ハインツヘルマン・ティーレ氏(監査役会長)は20日、同社に対する株式公開買い付け(TOB)方針を明らかにした。フォスローへの影響力を高めることで、同社が昨年12月に打ち出した組織再編計画を確実に推進させる考えのようだ。

フォスロー株を過去3カ月間の加重平均株価で買い取る考え。1株当たり48~49ユーロとなる見通しで、同社の価値を最大6億5,300万ユーロと評価したことになる。ただ、買い取り価格はTOB方針発表直前の水準を10%以上、下回っており、株主が応じるかどうかは不明だ。

ティーレ氏は独ブレーキ大手クノールブレムゼのオーナーで、2011年にフォスローに資本参加した。13年にフォスロー創業家との争いに勝って監査役会長に就任。創業家は保有株30%のうち22%を放出した。ティーレ氏は現在、約29.9%を保有する。

フォスローは経営資源を鉄道設備分野に絞り込み、鉄道車両事業から撤退する計画を12月に発表した。ティーレ氏は同計画の遂行に「事業家的な投資家として同伴する」と述べていることから、出資比率を引き上げてフォスローを支配下に置き、計画に取り組みやすい環境を築く考えとみられる。消息筋の情報としてdpa通信などが報じたところによると、ティーレ氏は「株主総会を支配できる出資比率の確保」を目指しているという。

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