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2015/1/21

総合 - ドイツ経済ニュース

14年GDP成長率1.5%に、消費がけん引

この記事の要約

ドイツ連邦統計局が15日発表した2014年の国内総生産(GDP)は物価調整後の実質で前年比1.5%増(暫定値)となり、前年の同0.1%増から大幅に改善した。1%を超えるのは3年ぶり(グラフ参照)。GDPの約3分の2を占め […]

ドイツ連邦統計局が15日発表した2014年の国内総生産(GDP)は物価調整後の実質で前年比1.5%増(暫定値)となり、前年の同0.1%増から大幅に改善した。1%を超えるのは3年ぶり(グラフ参照)。GDPの約3分の2を占める個人消費が堅調で全体が強く押し上げられた格好だ。政府支出と企業投資も増えており、内需主導の経済成長となった。

個人消費は1.1%増加した。雇用の拡大や実質賃金の増加、歴史的な低金利が追い風となっている。政府支出も1.0%拡大した。(表を参照)

設備投資は3.7%増となり、3年ぶりに増加へと転じた。統計局が昨年11月に発表したデータによると、同年は第1四半期と第2四半期がそれぞれ前期比1.7%増、0.4%増と小幅な伸びにとどまり、第4四半期は同2.3%減少していることから、第4四半期は伸び率が比較的大きかったもようだ。

建設投資は前年比3.4%増となり、2年ぶりに拡大した。

内需全体では成長率が1.2%に達し、2年連続でプラス成長となった。増加幅は前年の0.7%を0.5ポイント上回っている。

輸出成長率は3.7%となり、前年の1.6%から拡大。輸入の伸び率3.3%を上回った。

GDP成長率1.5%の項目別寄与度をみると、個人消費は0.6ポイントに達した。世界経済の減速を受けて企業が在庫を圧縮したことから、在庫調整はマイナス0.3ポイントと成長率の押し下げ要因となったものの、内需全体では寄与度が1.1ポイントに達した。輸出の伸びが輸入をやや上回ったことから、外需の寄与度は0.4ポイントに上った。

GDP成長率は昨年第1四半期に前期比で実質(物価・季節要因・営業日数調整値)0.8%に達したものの、第2四半期はマイナス0.1%へと悪化。第3四半期も0.1%にとどまった。統計局は第4四半期に景気が安定したとしており、同期の成長率は第3四半期を上回ったもようだ。

連邦(国)と地方(州と市町村)、社会保険機関を合わせた14年のドイツ全体の財政収支は119億ユーロの黒字(暫定値)となり、東西ドイツの統一後では2000年に次ぐ2番目に高い水準を記録した。黒字は3年連続。2000年は第3世代携帯電話規格(UMTS)の事業免許競売入札で連邦に巨額の特別収入が入り慢性的だった財政赤字が一時的に解消されたという事情がある。一方、14年の黒字は経済の堅調と財政再建に基づくもので、特殊要因を除いた実質では統一後最高の数値となる。

州がわずかに赤字となった以外はすべて黒字を確保。財政収支の対GDP比率は0.4%で、前年の同0.1%から大きく拡大した。