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2015/3/4

総合 - ドイツ経済ニュース

欧州特許出願、3年連続サムスンが1位に

この記事の要約

欧州特許庁(EPO)は2月26日、2014年の特許統計の詳細を発表した。それによると、韓国のサムスン・グループは出願件数で3年連続首位を獲得。LGグループも4位につけており、韓国企業は2社がトップ10入りを果たした。日本 […]

欧州特許庁(EPO)は2月26日、2014年の特許統計の詳細を発表した。それによると、韓国のサムスン・グループは出願件数で3年連続首位を獲得。LGグループも4位につけており、韓国企業は2社がトップ10入りを果たした。日本勢は国別のシェアで昨年同様2位を保ったものの、トップ10には1社も入らなかった。

14年の出願件数は前年比3.1%増の27万4,174件で、過去最高を更新した。10位以内にはサムスン(2,541件)、LG(1,638件)のほか、中国の華為技術(1,600件)が5位にランクイン。中国勢では12年の中興通訊(ZTE)に続いて2度目のトップ10入りとなった。EPO加盟38カ国からはフィリップス、シーメンスなど5社が入った。残り2社はクアルコム(7位)、インテル(10位)で、ともに米半導体大手だった。(グラフ1を参照)

日本企業はトップ50に10社が入った。最高はトヨタの12位(948件)で、13位と14位にもそれぞれソニー(942件)、パナソニック(901件)がつけた。キヤノンは723件で22位、日立は648件で25位、富士通は607件で28位、東芝は598件で29位、NECは505件で38位、三菱電機は471件で43位、リコーは421件で46位だった。

出願件数が最も多かった国は米国で、前年比6.8%増の7万1,745件に上った。2位の日本は4.4%減の4万8,657件に後退。3位ドイツも0.8%減の3万1,647件に落ち込んだ。中国(4位)は18.2%増の2万6,472件となり、これまでに引き続き2ケタ台の伸びを記録した。韓国(5位)は伸び率が前年の14%から落ち込んだものの、2.3%増の1万6,358件に拡大している。両国ともコンピューター、エレクトロニクス、携帯電話機分野で存在感を高めている。EPO加盟国は前年同様、出願全体の35%を占めた。

一方、特許申請と特許付与に占める各国のそれぞれの割合をみると、ドイツは申請に占める割合が11%にとどまったのに対し、付与に占める割合は20%に達した。これは不承認となる特許の割合が全体の平均を大幅に下回っていることを意味する。欧州勢は特許付与に占める割合(51%)が申請に占める割合よりも16ポイント高い。

中国勢は出願に占める割合が9%に上ったのに対し、付与に占める割合は2%に過ぎなかった。韓国勢もそれぞれ6%、3%となっており、出願しても承認されない特許の割合が高い。日本企業は出願に占める割合が18%、付与に占める割合が17%と大きな違いがない。(グラフ2を参照)

特許の出願件数が最も多い分野は医療機器で、前年比3.2%増の1万1,124件に拡大した。これに電機・エネルギー(8.0%増の1万944件)、デジタル通信(6.6%増の1万18件)が続く。(グラフ3を参照)

トップ10に入った分野のうち9分野で欧州勢の割合が最も高かった。自動車・航空機などの輸送機器(欧州企業シェア59%)、バイオテクノロジー(同56%)、計測機器(55%)で特に高い。欧州勢のシェアが1位とならなかったのはコンピューターで、29%にとどまった。同分野の1位は米国で38%に上っている。