総合医療大手の独フレゼニウス(バート・ホンブルク)は2月25日の決算発表で新規買収に意欲を示した。特に点滴治療薬・医療用栄養剤子会社のフレゼニウス・カービで中小規模の買収を行う考え。米競合ホスピーラの買収方針を製薬大手の米ファイザーが打ち出したことに危機感を持っているもようだ。
ホスピーラはグローバルに事業展開するファイアーの傘下に入ることで、成長市場のアジア、南米で事業を強化できる。このため、市場関係者の間には競合カービが圧迫を受けるとの見方がある。
フレゼニウスの2014年12月期の純利益(特別要因を除く)は前期比3%増の10億8,600万ユーロとなり、過去最高を記録した。独医療機関2位のレーンが運営する病院の大半を譲り受けることが奏功。カービと点滴子会社FMC(フレゼニウス・メディカル・ケア)の不振が相殺された。売上高は14%増の232億ユーロで、こちらも過去最高となった。
15年12月期は売上高(為替の影響を除いたベース)で7~10%増、純利益(同)で9~12%増を見込む。