自動車部品大手の独ボッシュ(シュツットガルト)は4月29日の決算発表で、電気通信インフラの大幅強化を政府に要求した。「モノのインターネット(IoT)」が進み自動車や工場、住宅、家電がインターネットで全面的につながる状況を支えるだけの通信能力が必要だと指摘。フォルクマー・デナー社長は、2018年までに国内の通信速度を最低でも50メガビット/秒に引き上げる政府の計画ではIoTに対応できないとの見方を示した。ドイツの通信速度は現在、8メガビット/秒で、世界26位にとどまっている。
2014年12月期の売上高は489億5,100万ユーロで、前期を6.3%上回った。主力の自動車部品部門が8.9%増の333億1,800万ユーロと大きく伸びて全体をけん引。全売上に占める同部門の割合は68%に上った。
消費財部門も5.2%増の42億9,700万ユーロと好調だった。同社は昨年、白物家電合弁のボッシュ・シーメンス・ハウスゲレーテを完全子会社にしたため、今後は同部門の売上規模が大きく拡大。ボッシュは自動車部品事業への依存度が弱まる。
営業利益(EBIT)は10.1%増の30億3,000万ユーロ、継続事業の税引き後利益は16.4%増の26億6,100万ユーロだった。
15年12月期は買収や為替の影響を除いたベースの売上成長率で3~5%を見込む。第1四半期は前年同期比で同5.4%を確保した。