自動車部品大手の独ボッシュ(シュツットガルト)は15日、米国のスタートアップ企業シーオ(Seeo)を買収すると発表した。シーオの技術を活用してリチウムイオン電池の性能を大幅にアップ。2020年までに電気自動車(EV)の航続距離を現在の2倍以上に引き上げ、EVの普及に弾みをつける考えだ。
リチウムイオン電池の陰極材料には現在、黒鉛が多く含まれており、これがエネルギー密度向上の妨げとなっている。ボッシュはシーオの買収により純リチウム製の陰極材料を電池に投入。エネルギー密度を今後5年で現在の2倍以上に引き上げ、EVの航続距離も300キロメートル以上に伸ばす考えだ。現在は150キロにとどまる。
ボッシュは昨年、GSユアサ、三菱商事と共同で合弁会社リチウムエナジー・アンド・パワーを設立したと発表した。リチウムイオン電池の性能を現在の2倍に引き上げることを目指している。ボッシュはシーオの買収について、日本の2社との協力関係を補完するものだと説明した。