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2010/11/5

一般・技術・その他 (旧)

パリ市、カーシェアリング事業向けにEV3,000台を調達

この記事の要約

フランスの首都パリ市と同市周辺の31の自治体はこのほど、電気自動車のカーシェアリング・プロジェクト「オートリブ(Autolib)」向けに電気自動車(EV)約3,000台を調達する入札を実施した。年内にも落札企業が決定する […]

フランスの首都パリ市と同市周辺の31の自治体はこのほど、電気自動車のカーシェアリング・プロジェクト「オートリブ(Autolib)」向けに電気自動車(EV)約3,000台を調達する入札を実施した。年内にも落札企業が決定する見通しだ。同サービスは来年9月からスタートする予定。

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オートリブは、パリで成功している自転車のレンタル事業「ヴェリブ(Velib)」を模範としたサービスで、約1,000のレンタルステーションにEVを配置し、短距離でも気軽に利用できるようにする。料金体系は毎月の登録料金15~20ユーロに加え、利用時間に応じて30分当たり約5ユーロが課金される見通し。パリ市では20万人の登録が見込まれているが、同規模では赤字になるとの指摘もあるもようだ。

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パリでは渋滞と駐車場不足が深刻化しており、市民の58%は自家用車を持たないことからカーシェアリングの需要は高いと期待されている。また、自家用車を保有するパリ市民の26%は自家用車を手放すことを検討しているとの調査結果もある。

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■ 「オートリブ」、ダイムラーなどが応札

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「オートリブ」向けのEV入札には独自動車大手のダイムラーを中心とするコンソーシアムのほか、公共交通運営会社のVTLIB(Veolia Transport Urbain)、仏物流・輸送会社のボロレ・グループも応札したもよう。

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ダイムラーは独工場で生産する「Aクラス」のEVのほか、フランスのハンバッハ工場で生産するスマートのEVを「オートリブ」に投入する計画であることから有力視されている。一方、VTLIBは仏自動車大手のPSAプジョーシトロエンが販売するEVのプジョー「iOn」およびシトロエン「Cゼロ」を投入する計画だ。ただ、両モデルは三菱自動車の「i-Miev」をベースとしたモデルで日本から輸出されている。ボロレは伊コーチビルダーのピニンファリーナと共同開発したEV「ブルーカー」を持つ。

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