2010/4/28

総合・マクロ

チェコ大統領、ユーロの先行きに厳しい見方

この記事の要約

チェコのクラウス大統領はオンラインビジネス誌『エコノム』への寄稿文で、ギリシャの債務問題などで危機に直面している欧州単一通貨ユーロについて、「導入国の努力により危機は克服できるものの、その代償は高くつくだろう」と厳しい見 […]

チェコのクラウス大統領はオンラインビジネス誌『エコノム』への寄稿文で、ギリシャの債務問題などで危機に直面している欧州単一通貨ユーロについて、「導入国の努力により危機は克服できるものの、その代償は高くつくだろう」と厳しい見方を示した。

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同大統領は欧州連合(EU)の新基本条約であるリスボン条約の批准に最後まで抵抗するなどEU懐疑派として知られ、ユーロ導入にも消極的な姿勢を見せている。ユーロの今後について同大統領は、EUの結束を維持する手段としてのユーロには莫大な政治的資本が投じられており、放棄されることはないとみる。一方で、ギリシャの財政危機をめぐる騒動は、ユーロ圏の国民が単一通貨体制を存続させるため将来にわたって高いコスト負担を強いられることを明白にしたと指摘する。

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ユーロ導入のメリットには、国境を越えた価格競争や雇用の促進などが図られ、経済や生産の効率性が高まることなどが挙げられる。クラウス大統領はこの点について、ユーロ導入後のEUの経済成長率は導入前より減速していると主張。米国や中国、インドなどとの成長の差はかえって拡大していると指摘した上で、「ユーロに参加していないということは誤りではない。こう考えているのは我が国だけではない」と述べた。

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