2011/9/7

ロシア

ロシア産油量、ソ連解体後で最大に

この記事の要約

ロシアエネルギー省が2日発表した8月の石油生産は日量1,028万バレルとなり、7月に記録したソ連解体後の最高値を更新した。TNK-BPとガスプロムの増産によるもので、追い上げるサウジアラビア(990万バレル)を振り切って […]

ロシアエネルギー省が2日発表した8月の石油生産は日量1,028万バレルとなり、7月に記録したソ連解体後の最高値を更新した。TNK-BPとガスプロムの増産によるもので、追い上げるサウジアラビア(990万バレル)を振り切って世界1位の座を守った。

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8月の産油量は前年同月比で2.1%、前月比で0.2%、それぞれ増加した。1-8月期では前年同期比1.3%増だった。

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ガスプロムはコンデンセート油の生産が前月比で7.6%伸び、国全体の増産に大きく寄与した。TNK-BPは、東シベリアのヴェルフネチョン油田での13%増産などで産油量が前月比1.3%の増加を示した。

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国際エネルギー機関(IEA)が2日発表した予測では、9月のロシア石油生産は日量1,029万バレルに伸び、最高記録を更新する見通し。通年では前年の1,014万5,000バレルから1,023万バレルに増加するとみられている。

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IEAによるとロシアの石油生産量はソ連時代の1988年に日量1,141万バレルのピークに達した。西シベリアの油田が枯渇に向かう中で、東シベリアが新たな産地と期待されている。

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■天然ガスは6.1%減産

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一方で、天然ガス生産は夏場の需要減で6.1%減の454億2,000万立方メートルに縮小した。

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ガスプロムの天然ガス生産は8.2%減の328億3,000万立方メートルに落ち込んだ。旧ソ連諸国の天然ガス市場を専門とする調査会社イースト・ヨーロッパ・ガス・アナリシス(EEGA)は「8月の生産量として最低の水準。ガスプロムは売れる分だけ生産しており、生産が減っているのは販売で問題を抱えていることの表れだ」と指摘する。欧州市場では価格が高すぎて販売が落ち、国内でも経済回復の遅れとガス価格の上昇が障害になったとコメントしている。

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ガスプロムの最大顧客である欧州は価格上昇に備え、今春の時点で備蓄を増やした。このため、市場専門家は今後もロシアの天然ガス輸出が減少するとみている。ただ、取引価格が上昇しているため、輸出額は以前の水準を維持できそうだ。

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