2013/10/30

ロシア

ロシアのビール市場が縮小、1-9月は1割減

この記事の要約

ロシアのビール市場が縮小している。今年1-9月期の売上高は前年同期比で10%も落ち込んだ。業界団体によると、この傾向は来年末まで続き、市場規模は2008年比で25~30%縮小する見通しだ。\ ビールメーカーによると、アル […]

ロシアのビール市場が縮小している。今年1-9月期の売上高は前年同期比で10%も落ち込んだ。業界団体によると、この傾向は来年末まで続き、市場規模は2008年比で25~30%縮小する見通しだ。

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ビールメーカーによると、アルコール依存症対策に関連して政府が課税強化や広告禁止、販売制限などの措置をとったことが需要を抑制している。しかし、現地の専門家は、その他の要因も指摘する。

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全国・地方アルコール市場調査センターのドロビス理事によれば、ロシアのビール市場がすでに急成長期を終えたところで、経済危機や人口減といった需要縮小につながる要因が浮上してきた。

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1人あたりのビール消費量は1990年代半ばの15リットルから、市場規模が最大となった2007年には81リットルまで拡大し、他に例をみない成長を記録した。しかし、経済危機によりアルコール度数の高い飲料に需要がシフトし、すでに2010年の時点で71リットルに低下した。

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一方で、潜在顧客の人口が減ったことも市場に影を落とした。1992~99年の出生率が大幅に落ち込み、2007年の時点で18~25歳の人口は3分の1にまで減少した。

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市場動向をみると、2007年にシェアを92%まで伸ばした国際大手は昨年までに10ポイント減の82%に後退した。ロシア1位のオチャコボも4%から2.5%にシェアを減らした。

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その一方で政府の支援を背景に中小醸造業者が勢力を強化し、シェアを4%から15.5%まで伸ばしている。ドロビス理事は国際大手のシェアは今後も縮小し、75%前後で落ち着くと予測する。

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なお、国内消費の約2.5%を占める輸入ビールに限ると、ウクライナが73.3%の圧倒的シェアで1位。これにチェコ(8%)、ドイツ(6.9%)、日本(3%)、フランス(1%弱)が続く。2018年には輸入関税が現在の1リットル当たり50ユーロセントからほぼゼロに引き下げられるため、輸入ビールのシェアは増える見通しだ。

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