2013/10/30

総合・マクロ

チェコ議会選挙、社会党が第一党に

この記事の要約

チェコで25、26の両日に行われた議会選挙(定員:200)は、汚職・盗聴事件で退陣したネチャス内閣の中道右派連立政党が大敗し、政権交代が確実な情勢となった。ただ、既存政党を批判する新党が多くの票を獲得。社会党(CSSD) […]

チェコで25、26の両日に行われた議会選挙(定員:200)は、汚職・盗聴事件で退陣したネチャス内閣の中道右派連立政党が大敗し、政権交代が確実な情勢となった。ただ、既存政党を批判する新党が多くの票を獲得。社会党(CSSD)は第1党の座を守ったものの得票率を落とし、共産党と合わせても過半数が確保できなかった。組閣は難航が予想され、政局安定への道は険しくなりそうだ。

\

今回の議会選挙は、ネチャス首相辞任後に成立したルスノク暫定内閣が議会の信任を得られずに8月総辞職したのに伴い、前倒しで実施された。社会党(CSSD)は20.5%の最高得票率を確保したものの、目標としていた30%を大きく下回った。2010年の前回選挙からも2ポイント縮小し、議席を56から50に減らした。選挙後の協力を予定していた共産党(KSCM)は得票率を4ポイント増の14.9%に、議席を26から33に伸ばしたが、両党だけでは過半数に届かなかった。

\

一方で、与党連合は予想通り大敗した。今年6月に失脚したネチャス元首相の市民民主党(ODS)は12ポイント減の7.7%で議席が53から16に後退。シュヴァルツェンベルグ元外相が率いるTOP 09は5ポイント減の12%、議席は41から26に減った。やはり連立を担っていた「公共問題(VV)」は今回、出馬しなかった。

\

中道右派の勢力後退で利を得たのがキリスト教民主同盟・チェコスロバキア人民党(KDU-CSL)だ。6.8%の得票で14議席を占め、議会に返り咲いた。

\

注目を集めたのは、初めて選挙に参加した新党2党の躍進だ。富豪のバビシュ氏が率いる「ANO 2011」は18.7%、47議席を獲得して堂々の第2党に躍り出た。また、日系人のトミオ・オカムラ氏が結成した新党「直接民主主義の夜明け(Usvit)」も6.9%、14議席を獲得した。

\

専門家は汚職や不正にまみれる既存政党への反発が新党支持につながったと分析している。投票率は59.5%(前回選挙:62.6%)だった。

\