米アマゾンは22日、チェコの2カ所に物流センターを設置すると発表した。ドイツ向け業務を隣国に移して労使交渉における立場を強化する狙いのようだ。3年以内に整備を完了し、1万人を雇用する。
\チェコCTK通信によると、物流センターはプラハ空港近隣とチェコ第2の都市ブルノの2カ所に設置する。正社員4,000人のほか、繁忙期の季節労働者を最大6,000人雇用する方針だ。
\アマゾンは今月初め、ポーランドに物流センターを整備すると発表したばかり。ドイツで賃上げをめぐって労組との対立が続く中、国外に拠点を設けることで交渉力を強める狙いがあるとみられる。
\アマゾンについての著書がある米ジャーナリストのストーン氏によれば、同社は米国で各州の誘致競争をうながして労組の影響を極力排除する方策をとった過去がある。欧州でも同様に各国の競争を利用する可能性はある。
\東欧は賃金面でもアマゾンに有利だ。現地メディアによると、チェコの賃金は月額で660~735ユーロ、1日の労働時間は9時間と、ドイツよりも労働条件が厳しい。
\アマゾンはドイツで9,000人を雇用し、ベルリン郊外では物流センターを整備中。今回の発表については欧州事業拡大の一環で、既存拠点の閉鎖はないとしている。(東欧経済ニュース10月2日号「米アマゾン、ドイツ拠点を中欧2カ国に移転か」を参照)
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