独高級車大手アウディのコーポレートスローガン「Vorsprung durch Technik（技術による先進）」の商標登録をめぐる係争で欧州連合（EU）の欧州司法裁判所（ECJ）は1月21日、商標登録を無効とした欧州共同体商標意匠庁（OHIM）の審決およびこれを支持したEU第一審裁判所（前審）の判決（訴訟番号：C-398／08 P）を破棄した。Vorsprung durch Technikは長年にわたってアウディの広告・宣伝に使用されており、ユーザーはこの表現をアウディと結び付けて考えていると判断できるとした。
\アウディは1971年からVorsprung durch Technikをコーポレートスローガンとして使用。コマーシャルで繰り返し登場させる戦略が奏功し、同スローガンの認知度は極めて高くなった。しかし、衣料品や玩具、皮革製品メーカーなど他の事業者が同スローガンを模倣し始めたことからアウディは2003年、OHIMに商標登録を出願した。
\しかしOHIMは05年、独自性が認められないとして出願を却下。アウディはこれを不当としてECJの第一審裁判所に提訴したが、同裁も「（優れた）技術によって先んじること」は多くの企業の理想や方針を示すものと理解され、特にアウディと結びついているとは言い難い」としてOHIMの審決を支持する判決（訴訟番号：T-70/06）を示したため、同社はECJに上訴していた。
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