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2010/2/17

経済産業情報

後発医薬品メーカーでMRの削減相次ぐ

この記事の要約

医療情報担当者(MR)を削減する後発医薬品メーカーが増えている。公的健康組合との割引契約により薬価が下落した結果、利益が確保できなくなっているためだ。医療制度改革で患者が服用する医薬品の選択権が医師から健保・薬局にシフト […]

医療情報担当者(MR)を削減する後発医薬品メーカーが増えている。公的健康組合との割引契約により薬価が下落した結果、利益が確保できなくなっているためだ。医療制度改革で患者が服用する医薬品の選択権が医師から健保・薬局にシフトした結果、自社製品の処方を医師に働きかける意味が薄れたことも大きい。経済紙『ハンデルスブラット(HB)』が15日付で報じた。

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後発薬大手Betapharmのミヒャエル・エーヴァース社長はHBの取材に対し、3月以降は主要な薬局向けの営業担当を配置するにとどめ、個々の薬剤師や医師を訪問する業務は中止することを明らかにした。この措置により営業担当者の数は一気に3分の1に縮小するという。

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業界関係者によると、HexalもMRを330人からほぼ3分の1の130人に削減する計画だ。Hexal側はこの数字の追認は避けているものの、公的健保との割引契約でリストラを余儀なくされていることは認めた。

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医療制度改革の結果、AOKなどの公的健康保険は2007年から後発医薬品メーカーと個別に割引契約を結ぶことが可能になった。健保から受注したメーカーは当該市場で大きなシェアが獲得できるものの、入札競争で薬価が下落する結果、十分な利益を確保できないというジレンマに直面している。

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後発医薬品業界団体Pro Generikaは「社内努力によるコスト吸収はすでに限界に達した」と指摘、状況が改善しなければ生産拠点をアジアなどコストの安い国に移転せざるを得ないとの懸念を表明した。

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