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2010/2/17

企業情報

Deutsche Bank AG―アジア事業が急成長―

この記事の要約

独最大手銀行のDeutsche Bank(フランクフルト)がアジア・太平洋事業(日本を除く)を急速に拡大している。同地の営業収益は昨年約30億ユーロとなり前年比で3分の1以上増加。今年も同程度、拡大し、2011年には40 […]

独最大手銀行のDeutsche Bank(フランクフルト)がアジア・太平洋事業(日本を除く)を急速に拡大している。同地の営業収益は昨年約30億ユーロとなり前年比で3分の1以上増加。今年も同程度、拡大し、2011年には40億ユーロの大台に乗る見通しだ。同事業を統括するロバート・ランキン氏が16日付『ハンデルスブラット』紙掲載のインタビュー記事で明らかにした。

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Deutsche Bankはアジア・太平洋でこれまで、投資銀行業務を中心に事業を展開してきた。今後は富裕層が急速に増加していることを踏まえ、資産管理事業も強化していく方針だ。

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中国は100万ドル以上の資産を持つ富裕層が米国、日本、ドイツに次いで4番目に多く、アジア・太平洋地域全体ではその数が240万人に上る。市場調査機関Capgeminiの予測では同地域の富裕層(資産100万ドル以上)の数は2013年に米国を抜いて世界最大になる見通しだ。同行はこうした見通しを踏まえ、当地の資産管理事業の規模を今後3年で倍増させるとしている。

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Deutsche Bankは日本を除くアジア・太平洋地域で計17カ国に拠点を持ち、約1万8,000人の従業員を抱える。昨年は同地域に3億ユーロを投資した。

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競合の米JP Morgan Chaseはアジア事業を強化するため、資産管理業務の統括拠点をニューヨークから香港に移した。Deutsche Bankのランキン氏は、同行では事業の統括拠点をフランクフルトからアジアに移転することはないと述べつつも、「中国とインド市場で強い力を持たないとアジアのトップバンクにはなれない」との見方を示した。Deutsche Bankの現地支店数は現在、中国が4カ所、インドが13カ所にとどまる。

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