化学・製薬大手の独Merck(ダルムシュタット)が23日発表した2009年12月通期決算の営業利益は前年比42.6%減の6億4,890万ユーロと大幅に後退した。経済危機のほか、医薬品事業の特別費などが大きなマイナス要因となった。液晶事業は下半期に大幅に持ち直し、販売量は経済危機前の水準まで回復したという。売上高は2.1%増の77億4,700万ユーロ、純利益は0.2%減の3億6,630万ユーロだった。
\医薬品部門の利益を圧迫したのは研究開発費の拡大やライセンスと債権の減損処理。多発性硬化症治療薬「Rebit」の販売をめぐる米司法省との係争で引当金1億7,900万ユーロを積み立てたことも追い打ちをかけた。
\同社のカールルートヴィヒ・クレイ社長は「2010年も容易な年ではない」と述べながらも、売上高で3~7%、営業利益では20~30%の成長を確保するとの見通しを示した。
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