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2010/3/24

経済産業情報

2025年までに住宅難が深刻に=Prognos予測

この記事の要約

コンサルティング会社Prognosは17日、「ドイツ国内の住宅不足は深刻化し、2025年には低所得者が適切な住宅を見つけることは特に難しくなる」との調査結果を発表した。住宅賃借者の利益団体DMBはこれを受け、政府に減税や […]

コンサルティング会社Prognosは17日、「ドイツ国内の住宅不足は深刻化し、2025年には低所得者が適切な住宅を見つけることは特に難しくなる」との調査結果を発表した。住宅賃借者の利益団体DMBはこれを受け、政府に減税や助成拡大といった住宅建設の促進策を求めている。18日付『南ドイツ新聞』が報じた。

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同調査によると、2015年までにドイツの人口はわずかに減少するが、1人暮らしの増加などで世帯数は5%増える見通しで、住宅の新築・増築件数が現在のペース(年17万5,000戸)で推移すると、2015年には20万戸の不足が生じる。この結果、家賃が上昇するため、所得が少ない若者や年金支給水準の引き下げに直面する高齢者は大きなしわ寄せを受けるという。

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DMBは公営住宅の建設がほとんどストップしていることを特に問題視している。30年前は失業者180万人に対し400万戸の公営住宅が用意されていたが、現在は350万人に対し150万戸にまで落ち込んだ。連邦政府は公営住宅向けの予算(年5億1,800万ユーロ)を2013年で廃止する方針を掲げており、低所得者の住宅難はさらに進む恐れがある。

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DMBは、住宅不足は家賃の上昇や住環境の悪化、犯罪率の増加を招くとして、政府に◇賃貸住宅の減価償却率を引き上げる◇バリアフリー住宅や省エネ住宅建設向けの助成を拡大する――といった対応策を要請。住宅建設の増加は内需拡大や雇用確保、省エネ促進にもつながると主張している。

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一方、連邦建設省は「住宅は不足していない」と反論。政府が対策を講じる必要はないとの立場だ。

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