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2010/6/2

企業情報

荒川化学―Dowとの独合弁、完全傘下の方向―

この記事の要約

荒川化学工業は5月26日、 米Dow Chemicalと共同展開してきたドイツ事業を完全傘下に収める方針を明らかにした。Dowの水素化石油樹脂生産設備と、現地合弁・荒川ヨーロッパ社(ARAKAWA Europe GmbH […]

荒川化学工業は5月26日、 米Dow Chemicalと共同展開してきたドイツ事業を完全傘下に収める方針を明らかにした。Dowの水素化石油樹脂生産設備と、現地合弁・荒川ヨーロッパ社(ARAKAWA Europe GmbH)に対するDowの出資持分を譲り受ける方向で交渉を開始する。荒川化学は水素化石油樹脂を中核事業と位置づけており、今回の交渉を成立させることで、同事業のグローバル展開を強化する意向だ。

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Dowは荒川化学から製造技術のライセンスを受け、独ベーレン工場で1999年から水素化石油樹脂「アルコン」の一貫生産を行ってきた。また荒川化学と共同で合弁販社・荒川ヨーロッパ社(出資比率:Dow60%、荒川化学40%)をフランクフルト近郊のシュヴァルバッハに設立し、欧州を中心に事業を展開してきた。

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アルコンは高圧水素化技術を応用した無色透明な水素化石油樹脂で、粘着・接着剤用樹脂、プラスチック用添加剤として用いられる。ベーレン工場では同樹脂を年1万5,000トン生産できる。

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荒川ヨーロッパ社は1998年の設立。2009年12月期の売上高は3,291万9,000ユーロ、経常利益は同185万6,000ユーロだった。

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