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2010/6/2

経済産業情報

独機械業界、2社に1社が知財権侵害の被害

この記事の要約

ドイツの機械メーカーが模造品の被害を受けるケースが増えている。ドイツ機械工業連盟(VDMA)が加盟企業を対象に実施した最新アンケート調査によると、2社に1社が自社製品を違法にコピーされたことがあると回答。特に合成樹脂・ゴ […]

ドイツの機械メーカーが模造品の被害を受けるケースが増えている。ドイツ機械工業連盟(VDMA)が加盟企業を対象に実施した最新アンケート調査によると、2社に1社が自社製品を違法にコピーされたことがあると回答。特に合成樹脂・ゴム機械で被害が多く、件数全体の9%を占めた。最近ではアイディアや製品を模倣されるだけでなく、オリジナル製品の写真や広告をそのまま盗用されるケースもある。また、複雑な機械の模造品も増えており、知財権を侵害する違法製品の出現を高い技術力によって阻止する戦略には限界があるようだ。

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同調査によると、企業が受けた被害で最も多かったのは産地偽装で、全体の約3分の2を占めた。デザイン侵害は26%、特許・実用新案権の侵害は16%、ブランド侵害は11%だった。

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模造品が多い地域については74%がアジアと回答。欧州・アメリカ大陸は37%、世界規模は21%だった。国別では中国が68%で最も多く、ドイツ、インド、米国が各21%でこれに続いた。

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最も被害の多かった合成樹脂・ゴム機械業界では、被害企業の63%が顧客からの通報で被害を知った。58%は見本市や独自の市場調査で、16%は販売の落ち込みで被害に気づいたという。

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被害額については「年間売上の5%以上」との回答が42%を占めた。昨年の業界売上高をもとに試算すると、被害総額は64億ユーロに上る。

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