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2011/8/24

経済産業情報

ソーラー業界団体、就業者数水増しか

この記事の要約

独太陽光発電業界の就業者数は業界団体の発表を大幅に下回る――。ベルリン技術経済大学(HTW)がこのほど実施した調査で、こんな実態が明らかになった。HTWによると、業界就業者数は8万人程度で、独ソーラー産業連盟(BSW)が […]

独太陽光発電業界の就業者数は業界団体の発表を大幅に下回る――。ベルリン技術経済大学(HTW)がこのほど実施した調査で、こんな実態が明らかになった。HTWによると、業界就業者数は8万人程度で、独ソーラー産業連盟(BSW)が挙げる数字(13万3,000人)を約40%下回るという。日曜紙『ヴェルト・アム・ゾンターク』が14日付で報じた。

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BSWの公称就業者数が多いのは非定常的にしかソーラー装置の設置を行わない手工業者も就業者数にカウントしているためだ。国際的な労働統計手法に従って、就業時間の半分以上をソーラー関連の作業に充てる者のみを対象とすると、実際の就業者数は大幅に縮小する。また、業界就業者の大多数は太陽光発電システムの販売・設置事業者で、発電装置やソーラーセルの製造・開発に携わる専門的な職業従事者はおよそ4人に1人に過ぎないという。

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調査関係者は、モジュール価格の下落やアジアメーカーの台頭などを背景に国内企業が生産拠点を国外に移転させる動きが加速し、ソーラー産業の空洞化が進むと指摘。化石資源・原子力発電業界の人員削減を再生可能エネルギー業界の成長で吸収するという政府の期待は皮算用に終わりかねないと注意を促している。

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