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2012/1/25

総合 - ドイツ経済ニュース

緊急時の停電で大口需要家に補償金、年最大6万ユーロの方向

この記事の要約

電力需給がひっ迫し大規模な停電が起こるのを避けるために大口需要家向けの供給を一時的に停止・削減する見返りとして高圧送電網運営事業者が支払う補償金について、ドイツ政府が政令案を準備している。24日付『フランクフルター・アル […]

電力需給がひっ迫し大規模な停電が起こるのを避けるために大口需要家向けの供給を一時的に停止・削減する見返りとして高圧送電網運営事業者が支払う補償金について、ドイツ政府が政令案を準備している。24日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じたもので、緊急時の停電・節電に同意した需要家に毎年、一定の金額を支給する。資金は送電網利用料金に上乗せされ、最終的に消費者が負担する。

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ドイツは昨年、原子力発電を2022年までに全廃し、再生可能エネルギーを大幅に拡充するエネルギー転換政策を決定した。これに伴い電力の需給調整が難しくなったため、大規模な停電(ブラックアウト)が起こるリスクが上昇。送電網事業者の50Hertzはこのほど、大口需要家であるハンブルクのアルミニウムメーカーTrimet向けの電力供給を非常時に最大1時間、停止することを取り決めた。合意内容の詳細は明らかにしていない。

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政府が準備している政令案はこうした合意を結びやすくすることを狙ったもので、年間の補償金額を定めている。その規模は供給削減量が多いほど多く、最大は6万ユーロ。同政令案の施行には連邦議会(下院)の承認が必要。

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