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2012/6/6

経済産業情報

停電回数が過去3年で3割増、「電力の安定供給に不安」需要家の4割

この記事の要約

独産業エネルギー需用家連盟(VIK)は4日、電力の安定供給に関する会員企業アンケート調査の結果を発表した。それによると、産業用大口電力の供給障害(停電など)の回数は過去3年で30%増加。今後の電力の安定供給・品質低下に不 […]

独産業エネルギー需用家連盟(VIK)は4日、電力の安定供給に関する会員企業アンケート調査の結果を発表した。それによると、産業用大口電力の供給障害(停電など)の回数は過去3年で30%増加。今後の電力の安定供給・品質低下に不安を訴える会員は4割を超え、3年前の2倍以上に拡大した。

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頻発するようになったのは1秒未満の停電(瞬断)だ。供給障害全体に占める割合は過去3年で59%から72%に増加。特に福島原発の放射能漏れ事故を受けて独国内の老朽原発7基を停止した2011年3月以降は目に見えて発生件数が増えた。1カ月当たりの回数は8回で、それ以前(11年1‐2月)の5倍に増加している。家電では瞬断が起こってもほとんどの場合問題ないが、情報機器を扱う現場や電子制御機械を使用する工場ではミリ秒単位の停電でも大きな支障をきたす恐れがある。

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一方、電力網管理当局(BNetzA)は、計画停電か不意の停電かを問わず3秒以内の停電は障害としてカウントしていない。VIKのロスケ会長は、「産業活動に大きな影響を与える停電の9割は当局から全く把握されていない」と批判し、監視対象を拡大するよう求めた。

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