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2012/6/6

経済産業情報

石炭化学Ruetgers、順調に成長

この記事の要約

石炭大手のRAGが5年前に投資会社Tritonに売却した石炭化学会社Ruetgersの業績が好調に推移している。2007年に6億5,000万ユーロだった売上高は金融・経済危機に見舞われた09年に5億2,000万ユーロへと […]

石炭大手のRAGが5年前に投資会社Tritonに売却した石炭化学会社Ruetgersの業績が好調に推移している。2007年に6億5,000万ユーロだった売上高は金融・経済危機に見舞われた09年に5億2,000万ユーロへと落ち込んだものの、10年からは2年連続で増収を達成。12年には9億ユーロの大台に乗る見通しだ。5月30日付『ハンデルスブラット(HB)』紙が報じた。

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同社の主力製品はピッチ(コールタールピッチ)だ。ピッチはコールタールを蒸留して得られる成分で、これを用いて作られる石炭系炭素材はアルミ精錬用電極、製鉄用耐火物の素材をはじめ、半導体・航空宇宙産業など広い分野で利用されている。特にアルミ精錬用電極では他に代わる素材がないため、アルミ産業を支える重要な役割を担う。

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HB紙によると、Ruetgersは世界石炭化学業界(売上高ベース)で米Koppersに次ぐ2位につける。売上高利益率(EBITDA)は10%以上あり、Koppersをしのぐという。

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収益性の高さはTritonによる買収後に実施した大規模なコスト削減プログラムによるところが大きい。07年からこれまでに圧縮したコストは3,000万ユーロに上り、コストに占める人件費の割合は12%から9%に縮小した。

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