中国国家質量監督検験検疫総局(AQSIQ)は5日、自動車大手の独BMWが中型車「5シリーズ」をリコール(無料の回収・修理)すると発表した。ステアリング用部品に不具合があるため。2009年から12年にかけて提携先の華晨中国汽車(Brilliance)と共同生産した現地仕様車14万3,000台が対象となる。
\パワーステアリングのプラグが湿気でさびてハンドリングが重くなる恐れがある。現地仕様車のため、中国以外の国はほとんど該当しない。
\BMWは2月にも「1シリーズ」、「3シリーズ」、スポーツ車「Z4」、小型オフロード車「X1」の計75万台を対象にリコールを実施した。このときはバッテリーケーブル用コネクターの不具合が原因だった。
\BMWに対しては中国環境省が先ごろ、排水浄化装置の性能が不十分だとして工場拡張計画の承認を見送った。環境相はこのとき、BMW車の排ガス量が多いことも批判しており、ドイツ国内ではBMWへの中国当局の風当たりが強くなっているとの見方も浮上している。
\また、欧州自動車工業会(ACEA)は欧州連合(EU)との貿易摩擦を受けて、中国が排気量2リットル以上の中・大型車両に高額関税を課す恐れがあると懸念している。中・大型車はドイツメーカーが主に製造しており、高額関税が導入されるとBMW、アウディ、ダイムラーの3社は大きな打撃を受けることになる。
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