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2013/10/23

経済産業情報

独電気通信サービス市場、13年はやや縮小

この記事の要約

独電気通信サービス事業者連合会(VATM)が16日発表した業界動向レポートによると、2013年の国内電気通信サービス市場規模は596億ユーロとなり、前年(12年)を1%下回る見通しだ。移動通信が1.2%増の251億ユーロ […]

独電気通信サービス事業者連合会(VATM)が16日発表した業界動向レポートによると、2013年の国内電気通信サービス市場規模は596億ユーロとなり、前年(12年)を1%下回る見通しだ。移動通信が1.2%増の251億ユーロ、ケーブル回線(CATV)サービスも9.1%増の48億ユーロとプラス成長を確保するものの、CATVを除く固定回線サービスが4.2%減の297億ユーロに縮小する。

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VATMとコンサルティング会社Dialogが共同作成した同調査レポートによると、固定回線(CATVを除く)市場ではドイツテレコムの売上高が6.5%減の145億ユーロ、テレコム競合企業が2%減の152億ユーロとなり、初めてシェアが逆転する。両者はともに減収となるものの、インフラ投資を加速。ドイツテレコムは前年の28億ユーロから30億ユーロ、競合も同32億ユーロから34億ユーロに増額する。

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固定ブロードバンドサービスの加入件数は60万件増の2,860万件に拡大する。回線別件数はドイツテレコムのDSL(自社サービスとして提供)が横ばいの1,240万件、ドイツテレコムの再販DSLが横ばいの180万件で、テレコム競合の独自DSL回線(ローカルループアクセスまで)は40万件減の870万件に後退するものの、CATV回線が100万件増の540万件に拡大する。ただ、建物内あるいは各住宅まで引き込まれた光通信回線(FTTB/H)は4万3,000件増の38万6,000件に増加するにもかかわらず、利用率は敷設済み88万4,000世帯の44%に過ぎず、ネットワーク稼働率の向上が課題になりそうだ。

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移動通信サービスの顧客数(開通手続き済みのSIMカード枚数)は前年より90万件増の1億1,410件となる。事業者別シェアはテレフォニカO2が17.1%(0.1ポイント増)、E-Plusが22%(1.3ポイント増)、ボーダフォンが28%(1.9ポイント減)、ドイツテレコムが32.9%(0.5ポイント増)。SIMカード全体に占める機械間(M2M)通信向けの割合は3%で前年と変わらない。

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移動通信売上高のうち非音声通信(ショートメッセージ、マルチメディアメッセージ、データ通信)は88億ユーロ。内訳はショートメッセージ(SMS)が27億ユーロ(1億ユーロ減)、データ通信が61億ユーロ(9億ユーロ増)。ポストペイド顧客のデータ通信トラフィック量は15%増の1億7,000万ギガバイトと大きく増加。ユーザー1人当たりでは261メガバイト(15%増)に達する。

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