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2013/10/23

経済産業情報

住民参加の送電網整備、反響鈍く 出資はわずか100世帯

この記事の要約

高圧送電網を住民から出資を募って建設するパイロットプロジェクトは当初の期待に反して反響が鈍かった。プロジェクトを主導する送電網事業者テネットが16日明らかにしたところによると、出資を引き受ける住民はわずか100世帯強にと […]

高圧送電網を住民から出資を募って建設するパイロットプロジェクトは当初の期待に反して反響が鈍かった。プロジェクトを主導する送電網事業者テネットが16日明らかにしたところによると、出資を引き受ける住民はわずか100世帯強にとどまった。集まった資金は100万ユーロで、目標とした4,000万ユーロを大幅に下回っている。

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テネットは1月、ドイツ北部のシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州と共同でプロジェクトを開始した。送電インフラ整備に住民の資本参加を認めるのは全国初で注目度が高く、日本からも問い合わせがあった。

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送電網を敷設するのはブルンスビュッテル~ニービュル間の180キロメートルで、出資は1口1,000ユーロ。敷設に対する地域の理解を得ることが狙いであるため、参加できるのは個人投資家に限られ、特に自分の住んでいる地域が送電ルートに当たる住民が優先された。また、利回りは最大5%と条件が良かった。

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だが、市民向けに発行した債券の仕組みが複雑だったことなどが響き、反響が鈍く、消費者保護団体も引き受けを見合わせるよう呼びかけていた。

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