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2014/3/26

経済産業情報

スウォッチ依存から独メーカーが脱却 機械式時計の基幹部品を自社開発

この記事の要約

ドイツの高級時計メーカー、ノモス・グラスヒュッテが機械式腕時計の基幹部品であるアソートメントの開発に成功した。スイスとドイツの時計メーカーの大部分は同部品をスウォッチグループ傘下のニバロックスから調達しているものの、スウ […]

ドイツの高級時計メーカー、ノモス・グラスヒュッテが機械式腕時計の基幹部品であるアソートメントの開発に成功した。スイスとドイツの時計メーカーの大部分は同部品をスウォッチグループ傘下のニバロックスから調達しているものの、スウォッチはグループ外への供給削減方針を打ち出している。ノモス・グラスヒュッテは量産技術を確立しており、スウォッチが外部供給を減らしても時計の生産規模を拡大できる。25日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

スォッチは自社グループ製時計の販売増を受けて、ガンギ車、アンクル、振り座がセットになったアソートメントと呼ばれる部品と、ムーブメントの他社への供給を停止する方針を2011年に打ち出した。ムーブメントも傘下企業のETAが大半の機械式時計メーカーに供給している。

スイスの独禁当局である競争委員会(COMCO)は昨年10月、同グループ外企業へのムーブメント供給を段階的に削減していくことを承認した。アソートメントについては市場の現状と今後の見通しの不透明さ踏まえると供給削減は時期尚早との立場を表明したものの、将来的には削減を認める可能性がある。

ムーブメントとアソートメントをスウォッチから調達してきた企業は早急に対策を立てる必要に迫られている。

ノモス・グラスヒュッテは1990年創設の若い企業ながら、05年にムーブメントの自社開発に成功。今回アソートメントの量産技術も確立したことで、今後の事業の不安材料がなくなった。

アソートメントの開発はドレスデン工科大学の協力を受けて行った。投資額は1,140万ユーロで、開発に7年を費やした。

同社は独自開発したアソートメントを「スウィング・システム」と命名。25日に開幕した時計見本市「バーゼルワールド」に出展した。すでに新モデル「メトロ」に搭載している。