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2014/5/14

経済産業情報

製造業で断熱強化の余地大きく

この記事の要約

ドイツの製造業界はエネルギー効率を改善する余地が大きいようだ。再生可能エネルギー分野のコンサルティング企業Ecofysがこのほど発表した調査レポートによると、建物・設備の断熱を強化するだけで106ペタジュール(29テラワ […]

ドイツの製造業界はエネルギー効率を改善する余地が大きいようだ。再生可能エネルギー分野のコンサルティング企業Ecofysがこのほど発表した調査レポートによると、建物・設備の断熱を強化するだけで106ペタジュール(29テラワット時)のエネルギーを節約できる。これは中型石炭発電所4基の年間発電量に相当する量で、二酸化炭素(CO2)の排出削減効果も8.7メガトンに上るという。9日付『ヴェルト』紙が報じた。

独政府系の省エネ・再生可能エネ研究促進企業であるDenaの試算によると、工場内の生産設備とホース・ダクトなどの配管に断熱技術を投入することでエネルギー損失を30%減らすことができる。

独建設業全国連盟(HDB)のホルガー・エルター断熱・防音・防火部会長は「発電所、化学工業団地、セメント工場、ビール醸造所、ガラス・製紙工場などエネルギーを大量に消費する設備の約10%は全く断熱材が施されていないか、施されていても断熱材の劣化によって性能が低下している。問題のある設備の割合は中小企業と大手とで変わらない」と指摘。すべての企業が断熱省エネ工事をした場合の投資額は計1億8,000万ユーロに上るものの、それによるエネルギーコストの削減効果は年7億5,000万ユーロに達する」として、投資を簡単に回収できると強調した。