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2014/9/10

経済産業情報

VWのロ工場が2週間の操業停止に、サプライヤーは現地投資見直しへ

この記事の要約

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は8日から2週間、ロシアのカルーガにある完成車工場の操業を停止する。欧米の対ロ制裁の影響で現地需要が大幅に落ち込んでいるためだ。サプライヤーも打撃を受けており、同国事業を見直す動き […]

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は8日から2週間、ロシアのカルーガにある完成車工場の操業を停止する。欧米の対ロ制裁の影響で現地需要が大幅に落ち込んでいるためだ。サプライヤーも打撃を受けており、同国事業を見直す動きが出ている。独業界紙『オートモビルボッヘ』などが報じた。

ロシアの1~7月の新車(乗用車・小型商用車)販売台数は141万606台で、前年同期を9.9%下回った。ルーブル相場の急落を受けて実質賃金が低下していることが響いており、7月は前年同月比22.9%減の18万767台と大幅に落ち込んだ。

これを受け米ゼネラル・モーターズ(GM)は8月下旬、サンクトペテルブルク近郊にある工場の生産縮小計画を発表した。8月と9月はそれぞれ4日間のみの操業とし、10月は8日間の操業とする。同工場ではシボレー「クルーズ」「トレイルブレイザー」、オペル「アストラ」を生産している。

オートモビルボッヘ紙によると、VWもカルーガ工場の今年の生産台数を従来計画の15万台から12万台に引き下げたもようだ。同工場ではVWブランドの「ポロ」「ティグアン」、シュコダブランドの「ファビア」「オクタビア」を手がけている。

ベルギッシュ・グラートバッハにある経済専門大学(FHDW)の付属研究機関、センター・オブ・オートモーティブ・マネージメント(CAM)の関係者によると、対ロ投資計画を修正するサプライヤーは多く、金属部品などを手がける独キルヒホフは工場用地を絞り込んだものの取得を棚上げにした。車体、車台、エンジン向け部品の墺ベンテラーは、新たな制裁が発動された場合、カルーガ工場で何らかの措置をとる見通しだ。ヒンジ部品の独エドシャでは現地売上高が目標を30%以上、下回っている。

CAMの関係者は欧米の制裁への報復としてロシアが自動車輸入を禁止する可能性もあるとしており、状況はさらに悪化する恐れがある。