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2014/10/1

経済産業情報

「反ユーロ政党AfDの躍進が財政悪化国に影」S&P

この記事の要約

ドイツで反ユーロ政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が躍進を続けると、欧州連合(EU)の財政悪化国は厳しい状況に追い込まれる恐れがある――。格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は23日、こんな見 […]

ドイツで反ユーロ政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が躍進を続けると、欧州連合(EU)の財政悪化国は厳しい状況に追い込まれる恐れがある――。格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は23日、こんな見方を示し、注目を集めた。

AfDは9月中旬に行われたチューリンゲン、ブランデンブルク両州の州議会選挙で2ケタ台の得票率を獲得した。結党から1年半ほどの政党としては異例の大成功だ。財政悪化国への支援を明確に批判・拒否する姿勢や保守・排外色を強く打ち出していることが有権者に支持されている。最新の世論調査では全国レベルでも支持率が初めて10%に達するなど、勢いが衰える気配は現時点でない。

中道右派の大政党であるキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)はAfDに有権者を大量に奪われている。S&Pはこれを懸念。AfDの高い人気が今後も続くと、CDUの党首であるメルケル首相は流出した支持者を再獲得するため、財政悪化国にある程度、妥協するこれまでの姿勢を改め、厳しい態度を取るようになるとみている。

S&Pによると、ドイツが財政支援の準備があるとの姿勢を示してきたことは財政悪化国のプラス要因だった。ドイツが厳しい姿勢に転じると、投資家は財政悪化国の国債を避けるようになり、これらの国の資金調達環境は悪化する。