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2014/10/1

経済産業情報

洋上風力発電所の建設がようやく軌道に

この記事の要約

洋上風力発電所の建設がドイツでようやく本格的に進展する見通しだ。これまでは経験がないことから思わぬトラブルが発生し、建設プロジェクトの遅延が相次いでいたが、そうした問題の解決を通してノウハウを獲得。発電大手バッテンフォー […]

洋上風力発電所の建設がドイツでようやく本格的に進展する見通しだ。これまでは経験がないことから思わぬトラブルが発生し、建設プロジェクトの遅延が相次いでいたが、そうした問題の解決を通してノウハウを獲得。発電大手バッテンフォールで再生可能エネルギー事業を統括するグンナー・グレープラー氏は「高い授業料を払った」と事情を話す。9月26日付『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙が報じた。

ドイツ全体の洋上風力発電容量(累積)は6月末時点で630メガワット(MW)にとどまった。洋上風力発電財団のアンドレアス・ヴァグナー事務局長によると、今後は急速に増加する見通し。大規模な風力発電パークが次々と完成するためで、年内に3カ所(グローバル・テック1、トリアネル・ボルクム、メールヴィント)、来年末までにはさらに6カ所(ダン・ティスク、ノルトゼー・オスト、ボルクム・リフグルント1、ブンテンディーク、アムルムバンク・ヴェスト、バルチック2)が送電網に接続される。発電容量は2015年末までに約3,500MWに拡大し、20年の政府達成目標である6,500MWの半分以上に達する見通しだ。

バッテンフォールのグレープラー氏はFAZ紙に、予期せぬ工事の中断リスクを低下させるには建設の各工程をうまく連携させることが大切だと語った。競合RWEイノジーのハンス・ビュンティング社長は「送電網に接続できる日程が確定した後に着工するということが(これまでの不手際から学んだ)最大の教訓だ」としている。