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2014/10/1

経済産業情報

ドイツ鉄道が二等料金据え置き、長距離バスとの競合で

この記事の要約

ドイツ鉄道(DB)は9月29日、12月14日から適用する新料金体系を発表した。長距離路線の一等車と近距離路線で料金を引き上げるものの、長距離の二等車では据え置いたのが目を引く。長距離路線バス市場の規制緩和を受けて二等車の […]

ドイツ鉄道(DB)は9月29日、12月14日から適用する新料金体系を発表した。長距離路線の一等車と近距離路線で料金を引き上げるものの、長距離の二等車では据え置いたのが目を引く。長距離路線バス市場の規制緩和を受けて二等車の顧客が流出していることを踏まえた措置とみられる。

ドイツではDBによる長距離路線バス市場の独占が2013年1月付の法改正で廃止された。これを受け大小さまざまな企業が同市場に参入。市場では激しい価格競争が繰り広げられており、鉄道料金の割高感が強まっている。

長距離一等料金の値上げ幅は平均2.9%。一等車の利用客は料金よりも快適さを重視するため、値上げしても長距離バスに流出する可能性が低い。

DBは今回の値上げに伴い、一等車の運賃を座席予約込みに切り替えるほか、高速鉄道ICEの車内でインターネットの無料サービスを開始する。同社は一等車で「どの程度の数の顧客に安定的にネット接続サービスを提供できるかをテスト」したうえで、将来は二等車にも同サービスを拡大する考えだ。

近距離鉄道料金は平均1.9%引き上げる。