自動車大手のダイムラー(シュツットガルト)は15日、デリバリーバン「スプリンター」を手がける独デュッセルドルフ工場で従業員(6,500人)の10%に当たる650人を整理すると発表した。同モデルの生産を北米に一部移管する計画を受けた措置。次世代モデルからは、これまでプラットフォームを共有してきたフォルクスワーゲン(VW)「クラフター」の受託生産がなくなることも響く。
ダイムラーは昨年、北米市場でバンを計2万4,000台販売。その大半をデュッセルドルフ工場で生産した。米国では輸入関税が25%と高いため、同国向け製品は一度、モジュールに分解してサウスカロライナ州のチャールストンにある工場で再び組み立てている。これが大きなコスト要因となっていることから、同社は現地生産に踏み切る。現在、工場の候補地を模索中だ。
経営陣は今回の措置の見返りとして、デュッセルドルフ工場に3億ユーロを投資し、デリバリーバンの中核的な研究開発拠点とする。また、経営上の理由による整理解雇も2020年まで行わない。デリバリーバンは現在、アルゼンチン、中国、ロシアでも生産している。