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2014/12/17

経済産業情報

企業倒産5年連続減少へ、ウクライナ問題など地政学リスクの影響なし

この記事の要約

信用調査機関クレジットリフォームは10日、ドイツの企業倒産件数が今年は前年比8.9%減の2万3,800件となり、5年連続で縮小するとの見通しを明らかにした。同国の経済基盤が安定しているうえ、金融機関による貸し渋りがなく企 […]

信用調査機関クレジットリフォームは10日、ドイツの企業倒産件数が今年は前年比8.9%減の2万3,800件となり、5年連続で縮小するとの見通しを明らかにした。同国の経済基盤が安定しているうえ、金融機関による貸し渋りがなく企業が融資を受けやすい環境にあることが大きい。ウクライナ問題など地政学リスクの影響はこれまでのところ出ていない。

負債総額は前年の計269億ユーロから同261億ユーロへとやや減少し、2年連続で低下する見通しだ。大型倒産の数が少ないことがプラス要因となっており、倒産件数に占める従業員数100人超の企業の割合は前年の0.9%から0.7%に低下。売上高5,000万ユーロ以上の企業の倒産件数は90件にとどまり、前年の130件から30.8%減少する。

業界別では製造業の減少幅が最も大きく、前年比18.9%減の1,760件に後退。流通業(8.8%減の5,000件)、サービス業(8.2%減の1万3,590件)、建設業(5.7%減の3,450件)でも減少する。

倒産の割合が最も高い業種は建造物解体業で、全体の6.17%を占める。これにレンタルビデオ業(5.81%)、ディスコ・ダンス場(5.11%)、警備業(5.04%)が続く。

今年最大の倒産(雇用規模別)は出版・書籍販売大手のヴェルトビルトで、被用者6,800人が影響を受けた。2位は樹脂部品製造のクンストシュトッフ・テヒニク・シェーラー・ウント・トリーア(同2,100人)、3位は小売チェーンのシュトラウス・イノバチィオン(1,400人)で、雇用規模1,000人以上の企業は計5社だった。自転車製造のMifa(650人)は8位、テレビ製造のメッツ・ヴェルケ(540人)は10位となっている。