欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/3/9

EU産業・貿易

GM作物栽培、加盟国に禁止権限

この記事の要約

EU加盟国は2日、遺伝子組み換え(GM)作物の認可ルールをめぐり、EUが栽培を認可した場合でも加盟国が独自の判断で禁止できるようにする指令の改正案を承認した。GM作物に対するEU市民の根強い懸念に配慮して、加盟国に最終的 […]

EU加盟国は2日、遺伝子組み換え(GM)作物の認可ルールをめぐり、EUが栽培を認可した場合でも加盟国が独自の判断で禁止できるようにする指令の改正案を承認した。GM作物に対するEU市民の根強い懸念に配慮して、加盟国に最終的な決定権を与えたうえで、安全性が確認された品種については速やかに域内での栽培認可プロセスを進めるのが狙い。

改正指令によると、EUで栽培申請されているGM作物の栽培を望まない加盟国は、栽培申請の地理的範囲から自国の領土の一部またはすべてを除外するよう求めることができる。EUが栽培を認可したGM作物であっても、加盟国は安全性や環境への影響、国土計画、土地利用、社会経済的影響、公共政策などの根拠に基づいて、独自にその作物の栽培を禁止または制限することが認められる。また、GM作物を栽培する際には他の作物を汚染することがないよう、特に国境を越えた汚染を防止するため、「緩衝地帯」を設けるなどの対策が義務付けられている。

改正指令はEU公報で公表されてから2カ月後に施行される。