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2010/8/11

企業情報

Koenig & Bauer AG―同業Manrolandとの合併に意欲―

この記事の要約

印刷機械大手の独Koenig & Bauer(KBA、ヴュルツブルク)が同業Manrolandとの合併を検討している。同社のヘルゲ・ハンゼン社長が10日公開された『ハンデルスブラット(HB)』紙のインタビュー記 […]

印刷機械大手の独Koenig & Bauer(KBA、ヴュルツブルク)が同業Manrolandとの合併を検討している。同社のヘルゲ・ハンゼン社長が10日公開された『ハンデルスブラット(HB)』紙のインタビュー記事で明らかにした。同業界は構造転換のただなかにあり、KBAは合併により長期の競争力を確保する狙いのようだ。

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Manrolandは機械大手MANの元子会社で、2006年1月以降はAllianzのプライベート・エクイティ子会社Allianz Capital Partners(ACP)とMANの傘下にある。出資比率はACPが65%、MANが35%。出資2社はManrolandの売却を以前から模索しており、09年には業界最大手Heidelberger Druckmaschinenに売却する方向で交渉したが、カルテル法上のハードルが高く断念した経緯がある。

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KBAのハンゼン社長はこれを踏まえ、同社がManrolandと合併した場合、輪転機事業の一部を放出しなければならないものの、枚葉印刷機分野では両社合計の市場シェアがHeidelberger Druckを下回り問題はないとの見方を示した。また、Heidelberger Druckとの合併の可能性については、Heidelberger Druckの債務残高が高いため、検討対象にならないとの立場を明らかにした。ManrolandはHB紙の問い合わせに対しコメントを控えている。

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印刷機械各社はインターネットの普及を背景にプリントメディアと印刷機械の需要が減少するという問題に直面、将来の成長確保が大きな課題となっている。ハンゼン社長によると、KBAは急成長中のデジタル印刷機市場への参入や太陽熱設備、包装機械など他分野の企業の買収を検討中だ。買収対象となるのは売上高1億ユーロ以上の企業で、すでに5~8社に的を絞りこんだという。

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