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2010/8/11

経済産業情報

「寡占で不当利益=年2億ユーロ」、暖房検針業者に批判の矢

この記事の要約

年に一度、住宅の暖房設備を検針するサービス業者が不当な利益を上げているようだ。検針サービス市場が寡占状態にあり、競争原理が働いていないことが背景にある。オンラインの省エネコンサルティング会社「co2online」が実施し […]

年に一度、住宅の暖房設備を検針するサービス業者が不当な利益を上げているようだ。検針サービス市場が寡占状態にあり、競争原理が働いていないことが背景にある。オンラインの省エネコンサルティング会社「co2online」が実施した調査によると、同業界の不当利益は年1億9,500万ユーロに上るという。消費者団体は独禁当局に介入を求めている。5日付『ヴェルト』紙が報じた。

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国内検針サービス市場は大手5社がシェア9割を握っており、最大手2社のIsta(エッセン)とTechem(エッシュボーン)のシェアは合わせて5割を超える。co2onlineの調査によると、同2社の検針料金は全国平均よりそれぞれ24%、18%も高いという。ただ、料金を支払う側の大家は検針コストを借り手にそのまま転嫁できるため、料金の安い業者に変更しようという意識はほとんどない。寡占に加え、このような事情も市場競争を阻害している。

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ヴェルト紙が入手した大手Istaの内部資料によると、同社のシェアは長い間25%前後で変化がないうえ、検針料金は一貫して上昇している。ドイツ事業の売上高純利益率は31.3%と、他の業種ではあり得ない高さだ。

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独禁当局は以前から、検針サービス市場が寡占状態にあると認識している。このため、大手による同業買収申請を不許可とし、寡占の進展を防いできた。ただ、具体的な談合容疑がない限り、カルテル調査を開始するのは難しいという。

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