世界の大手半導体メーカーがドイツでの生産拡大を急いでいる。背景にあるのは世界的な景気回復に伴う需要拡大とドル高ユーロ安。自動車向け半導体やパスポート、銀行カード用チップなど、ドイツの半導体技術の高さも魅力だという。独経済紙『ハンデルスブラット(HB)』が3日報じた。
\ドイツ半導体市場は経済危機の昨年、前年比25%減の約70億ユーロに縮小。同年1月には独メモリー大手キマンダが業績悪化で資金繰りに行き詰まって倒産しており、「ドイツ半導体産業の終わりの始まり」と危惧されていた。だが、今年に入って状況は一転。景気回復とユーロ安が追い風となり、ドイツに生産拠点を構える大手メーカーが工場拡張や求人募集に動き出した。
\HB紙によると、世界4位の米テキサス・インスツルメンツ(TI)はバイエルン州フライジング工場の生産能力を引き上げる計画。従業員数を現在の880人(期間従業員180人)から増員する。独インフィニオンもドレスデン工場を拡張し、120人を新たに雇用する。米グローバルファウンドリーズは向こう2年間で約13億ユーロをドレスデン工場の拡張に投資。その後100人を新規雇用する計画だ。オランダのNXPや有線通信用の半導体チップを手がける独Lantiqも国内で20人前後を募集している。
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