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2010/8/11

経済産業情報

クローズドエンド型投信で最高裁判決、投資家に目論見書読む義務なし

この記事の要約

最高裁の連邦司法裁判所(BGH)はこのほど、クローズドエンド型投資信託に関し、「投資家は投信を購入する際に目論見書を必ずしも読む必要はない」との判断を示したうえで、「投信を販売する金融アドバイザーに商品のリスクを説明する […]

最高裁の連邦司法裁判所(BGH)はこのほど、クローズドエンド型投資信託に関し、「投資家は投信を購入する際に目論見書を必ずしも読む必要はない」との判断を示したうえで、「投信を販売する金融アドバイザーに商品のリスクを説明する義務がある」との判決を下した。

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クローズドエンド型投信は数千ユーロを投資して主に船や不動産、風力発電所の運営などに参加するもので、元本保証はない。また、多くの場合、12年間は出資分を売却できないことになっている。投信運用会社は正しい内容を記載した目論見書の作成を義務づけられており、投資家は投信を購入する際に金融機関など販売側からこの目論見書を手渡される。ただ、内容は複雑多岐にわたり一般の投資家が通読するのは難しい。

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このため、運用が悪化して損失が出ると購入者は「アドバイザーがリスクを十分に説明しなかった」、アドバイザーは「目論見書を渡してある」と相互に非難し係争に至るケースが多い。今回の判決で投資家の立場が強化されたため、金融機関などのアドバイザーは今後、係争で「目論見書を渡した」という言い訳をできなくなる。

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