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2011/11/2

総合 - ドイツ経済ニュース

EUと日印のFTA/EPA交渉をフォードが警戒

この記事の要約

欧州連合(EU)が日本、インドとの交渉をそれぞれ検討している経済連携協定(EPA)/自由貿易協定(FTA)を、自動車大手フォードの欧州法人が警戒している。韓国とEUのFTA発効後、韓国車の欧州販売が大きく伸びているためだ […]

欧州連合(EU)が日本、インドとの交渉をそれぞれ検討している経済連携協定(EPA)/自由貿易協定(FTA)を、自動車大手フォードの欧州法人が警戒している。韓国とEUのFTA発効後、韓国車の欧州販売が大きく伸びているためだ。同社欧州法人でロビー活動を担当する役員のヴォルフガング・シュナイダー氏が『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に対し明らかにした。

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韓国車の欧州販売はEUとのFTAが発効した今年7月以降、加速しており、9月は現代が前年同月比17.8%増の3万8,173台、同子会社の起亜も26.5%増の3万2,754台に拡大した。EU市場の同月の成長率は0.7%にとどまっており、韓国勢の躍進が目立つ。1-9月期では両社の市場シェアが計5.0%(現代2.9%、起亜2.1%)を記録。ダイムラー(同4.9%)やトヨタ/レクサス(3.9%)を上回った。フォードは同8.0%で現代/起亜を上回るものの、将来的に追い抜かれる恐れもある。

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シュナイダー氏によると、韓国にはFTA締結後も非関税障壁が数多くあり、欧州の自動車メーカーは同国市場で不利な立場を強いられている。一方、来年に発効予定の米韓FTAではこうした問題をあらかじめ想定。韓国が非関税障壁を撤廃しない場合、米国は韓国製品への免税措置を凍結できる決まりが盛り込まれている。同氏はこれを踏まえ、日本・インドとのEPA/FTA交渉では米韓FTAを手本にするようEUに要求した。

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