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2011/12/14

企業情報

Deutsche Telekom―CATV事業で不動産大手と提携―

この記事の要約

電気通信大手Deutsche Telekom(ボン、以下:テレコム)は8日、不動産大手のDeutsche Anningtonと戦略提携すると発表した。Deutsche Anningtonが賃貸する全国17万1,000軒の […]

電気通信大手Deutsche Telekom(ボン、以下:テレコム)は8日、不動産大手のDeutsche Anningtonと戦略提携すると発表した。Deutsche Anningtonが賃貸する全国17万1,000軒の住宅に光ケーブル回線を敷設しペイテレビ・フリーテレビ放送が受信できるようにする。将来的には超高速ブロードバンドサービスも提供していく。

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Deutsche Telekomは一部の大都市で超高速DSL(VDSL)回線によるインターネットテレビ、ビデオオンデマンドサービスなどを展開しているが、利用者数は伸び悩んでいる。一方、CATV回線を使ったデータ通信はコストが比較的安いことから、ケーブルテレビ利用世帯ではデータ通信サービスを併用するケースが多い。CATV網事業者連盟(ANGA)によると、CATVでテレビを受信する世帯のうちブロバン接続サービスも併用する世帯は15.5%に上る。また、CATV国内最大手のKabel Deutschlandではデジタル回線利用者の4割(顧客全体の3割)がインターネットサービスに加入している。Deutsche Telekomは今回の提携で2億~3億ユーロの投資が必要になるものの、TVサービスと並行してブロバン契約の需要が確実に見込める。

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Deutsche Anningtonも管理するすべての賃貸住宅で快適な高速インターネット環境を整えることで、住宅の資産価値を引き上げるとともに、入居率や継続賃貸期間が伸びるなど効果が見込める。また、住宅の90%でこれまでよりもテレビ受信コストが下がり、入居者にとってもプラスになるという。

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