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2011/12/14

経済産業情報

リースター年金は「加入の価値あり」、保険業界が反論

この記事の要約

ドイツ保険協会(GDV)は6日、公的助成つき個人年金制度(リースター年金)に関する試算レポートを発表した。これはドイツ経済研究所(DIW、ベルリン) が先月、「期待余命が不自然に長く設定されている」などとして同制度を批判 […]

ドイツ保険協会(GDV)は6日、公的助成つき個人年金制度(リースター年金)に関する試算レポートを発表した。これはドイツ経済研究所(DIW、ベルリン) が先月、「期待余命が不自然に長く設定されている」などとして同制度を批判したことを受けて作成したもので、「払込保険料を回収するまでの期間はDIWの試算より短く、他の個人年金保険よりも運用利回りは有利」と指摘。DIWの批判は的外れと反論した。

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GDVは「35歳・男性・独身・年収(税・社会保険料込)3万ユーロ」(Aさん)、「36歳・女性・既婚・子供2人・年収4万5,000ユーロ」(Bさん)、「30歳・女性・シングルマザー・子供1人・年収1万8,000ユーロ」(Cさん)の3例で試算を実施。この結果、国からの助成率が最も高いCさんは71歳で、また、BさんとAさんもそれぞれ72歳、74歳で払込保険料が回収できることを明らかにした。DIWはAさんとBさんについてこの年齢を「77.1歳」とはじき出しており、GDVの試算との間にはおよそ3~5年の開きがある。

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「期待余命が(連邦統計局の数字より)不当に長く設定されている」との批判に対しては、実例を挙げて反論した。それによると、1986年の連邦統計局の予測では同年に65歳だった男性10万人のうち20年後に存命している人(=期待余命20年以上)は2万1,608人とされていたが、06年に実際に85歳の誕生日を迎えた男性は3万1,530人で、統計局予想の1.5倍に達していた。GDVは「公式統計を計算の根拠にすると終身年金として機能しなくなることは明白」と指摘し、独自の生命表を採用することの正当性を強調した。

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