2014/5/21

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

スロベニア経済の回復本格化は来年に=オーストリア企業

この記事の要約

オーストリア経済会議所(WKOe)がスロベニアに進出している自国企業を対象に実施したアンケート調査で、スロベニアの本格的な景気回復が来年にずれ込むとの見方をしている人が多いことが明らかになった。ただ、昨年に比べると楽観的 […]

オーストリア経済会議所(WKOe)がスロベニアに進出している自国企業を対象に実施したアンケート調査で、スロベニアの本格的な景気回復が来年にずれ込むとの見方をしている人が多いことが明らかになった。ただ、昨年に比べると楽観的な見方が増え、改善傾向は明らかだ。政治に対しては、労働法など制度の改正とともに、汚職対策など、法の機能する環境づくりを求める傾向が目立った。

目下の経済状況については「悪い」と評価する企業は63%と過半数を大きく超えた。「まずます」は34%だった。しかし、昨年の調査時に比べると、「悪い」は18ポイント減、「まずます」は16ポイント上昇しており、景況感の改善がうかがわれる。来年については「良い」が26%、「まずまず」が46%で、さらに上向きそうだ。

自社の業界の現況については「悪い」が46%を占めた。年内に状況が「変わらない」とみているのは52%、「悪くなる」も30%に上った。売り上げ見通しでは「増える」が43%、「変わらない」もほぼ同率だった。

スロバキアで事業を行う上での「不満点」を聞いたところ、◇税制◇投資奨励制度◇労働法◇汚職◇支払いモラル――が上位に挙がった。一方、良い点としては、能力が高く、働く意欲のある人材を集めやすいことを指摘する声が多かった。この関連では、職業訓練の質も評価されている。

政治に対して求めることとしては、◇汚職撲滅への取り組み強化◇官僚主義の廃止◇減税――のほか、◇率直なコミュニケーション◇情報の透明化◇政治情勢の安定化も挙がった。

WKOeによると、オーストリアの対スロベニア投資は約60億ユーロで、国別で最大の投資元となっている。オーストリア資本が経営権を握る企業は流通、金融、製造の各業界に700社あり、雇用数は合計1万5,000~2万人と推定されている。