欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2011/6/22

経済産業情報

パリ国際航空ショー、景気回復が鮮明に

この記事の要約

世界最大の航空展示会「パリ国際航空ショー」が20日、パリ近郊のル・ブルジェで開幕した。出展者数は前回(09年)を131社上回る2,113社に達し過去最高を更新。実機展示も150機を超え、景気回復が鮮明に反映された。今回は […]

世界最大の航空展示会「パリ国際航空ショー」が20日、パリ近郊のル・ブルジェで開幕した。出展者数は前回(09年)を131社上回る2,113社に達し過去最高を更新。実機展示も150機を超え、景気回復が鮮明に反映された。今回は初めて中国の旅客機メーカーが参加しており、ボーイングとエアバスによる寡占に風穴が開けられる可能性も出てきた。

\

航空ショーでは活発な取引が展開している。欧州最大手のエアバスは初日に、米リース会社Gecasから2015年に就航予定の低燃費新型機「A320 Neo」60台(カタログ価格55億ドル)を受注した。競合の米ボーイングはカタール航空から長距離型航空機「777-300」7機(同17億ドル)を、ブラジルの競合で世界3位のEmbraerも短距離ジェット機39機をそれぞれ受注している。

\

今回の航空ショーでは新興勢力の存在感が高まった。中国の航空機メーカー・中国商用飛機(COMAC)は開幕前日の19日、パリに欧州事務所を開設したほか、ショーには開発中の大型旅客機「C919」の原寸大模型を出展した。同社はカナダの航空機メーカーで世界4位のボンバルディアと技術提携し、資金も潤沢だ。欧州航空大手EADSのルイ・ガロワ社長は、Embraer、ボンバルディア、COMAC、およびロシアのUnited Aircraft Corporation(IAC)の4社が近い将来、エアバスとボーイングを脅かす存在になるとの見方を示した。

\