2011/3/2

ロシア

ロシア対外経済銀行、極東投資ファンドを設定

この記事の要約

ロシアのプーチン首相はこのほど、国営の対外経済銀行(VEB)に対し、極東地域を対象とした投資ファンドを5月までに設定するよう命じた。経済の振るわない同地域での事業を促進する狙い。最大880億ルーブル(30億米ドル)のプロ […]

ロシアのプーチン首相はこのほど、国営の対外経済銀行(VEB)に対し、極東地域を対象とした投資ファンドを5月までに設定するよう命じた。経済の振るわない同地域での事業を促進する狙い。最大880億ルーブル(30億米ドル)のプロジェクト実施を見込む。

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具体的なプロジェクト名や他銀行との共同投資の可能性などについては明らかにされていない。首相は昨年12月、極東地域のエネルギー、金属、木材、水産部門には大きな投資潜在性があるとの見方を表明。これを促進する姿勢を明らかにしていた。

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VEBはすでに同地域に対する融資枠を広げており、昨年、ハバロフスク地域の製材所建設に30億ルーブルの融資を実施した。また、来年開催のアジア太平洋経済協力会議開催に向けた準備の一環として、クネヴィチ(ウラジオストク)空港の改修に23億ルーブルを貸し付けた。水運・水産業者による国営統一造船(USC)への発注に対しては、総額400億ルーブルの保証を実施する計画だ。

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VEBは先ごろ、北コーカサス地方を対象に同様のファンドを設定したばかり。また、タタルスタン共和国の肥料メーカーAmmoniのプラント新設では16億ドルの貸付を承認した。VEBのディミトリエフ総裁は、必要であればソレルスとフォードの自動車合弁会社に対しても融資を実施する意向を示している。

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Ammoniは昨年、三菱重工業と双日、中国化学工程集団公司(CNCEC)の3社連合にプラント建設を発注した。世界でも最大級の尿素肥料工場となる見通しで、国内のほか、他の旧ソ連諸国や欧州、アジアに製品を出荷する。VEBとタタルスタン国営ファンドがAmmoniの経営権を握る予定だ。(1RUB=2.86JPY)

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