2011/3/2

ロシア

ガスプロム、米国販売量を今年5割増に

この記事の要約

天然ガス世界最大手のガスプロムが、米国市場での事業拡大に意欲的だ。米国子会社ガスプロム・マーケティング・アンド・トレーディングのハッテンバーガー社長が先ごろロイター通信に明らかにしたところによると、今年は液化天然ガス(L […]

天然ガス世界最大手のガスプロムが、米国市場での事業拡大に意欲的だ。米国子会社ガスプロム・マーケティング・アンド・トレーディングのハッテンバーガー社長が先ごろロイター通信に明らかにしたところによると、今年は液化天然ガス(LNG)の販売量を前年比で5割増やす計画だ。

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ガスプロムは2010年下半期に米国で1日当たり20億立法フィート(bcfd)を販売したが、今年はこれを30億bcfdに引き上げる。また、同社は米国市場で現在上位20社に入っているが、4年以内に上位10社へのランクアップを目指している。国家エネルギー安全保障基金のシモノフ会長は露ラジオ局『ボイス・オブ・ロシア』とのインタビューで、ガスプロムは米国市場参入への一歩を踏み出したばかりと強調したうえで、同社の事業努力や市場環境を鑑みればこの目標は達成可能と予測する。

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ガスプロムはロシア国内の天然ガス開発プロジェクトを推進し、世界市場シェア25%を獲得することを目指しており、米国での販売拡大は欠かせない。米国が近年開発に力を入れているシェールガスの生産がまだ不安定であることに加えて、LNGの主要輸出国であるエジプトが政情不安に陥っていることも、ロシアからの輸入拡大の追い風になるとシモノフ氏は見ている。

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