2011/3/2

ポーランド

投資会社ミッド・ヨーロッパ、小売大手買収で合意

この記事の要約

欧州の投資会社ミッド・ヨーロッパ・パートナーズ(本社ロンドン)は2月25日、ポーランドの小売大手ジャブカをチェコ・スロバキア資本の投資会社ペンタ・インベストメンツから完全買収することで合意したと発表した。買収額は明らかに […]

欧州の投資会社ミッド・ヨーロッパ・パートナーズ(本社ロンドン)は2月25日、ポーランドの小売大手ジャブカをチェコ・スロバキア資本の投資会社ペンタ・インベストメンツから完全買収することで合意したと発表した。買収額は明らかにされていないが、現地日刊紙『ジェチポスポリタ(Rzeczpospolita)』によると、3億8,000万~4億ユーロ(約16億ズロチ)になる見通しだ。また、買収成立にはポーランド独禁当局(UOKiK)の承認が必要となる。

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ジャブカはポーランドで約2,450店舗以上のコンビニエンス・ストアを展開。10年の売上高は25億4,000万ズロチ(約6億5,000万ユーロ)、利払い・税・償却前利益(EBITDA)は1億2,150万ズロチ(約3,100万ユーロ)だった。

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ミッド・ヨーロッパは中東欧でプライベートエクイティ事業を展開しており、運用資産は32億ユーロに上る。◇ポーランド小売業界は今後、安定成長と再編が期待できる、◇07年のペンタによるジャブカ買収後、ジャブカの収益率は過去3年で40%以上拡大した――という2点が、今回の買収の決め手となった。

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伊大手銀行ウニクレディトのアナリストは、「ポーランド小売業界の再編の動きは加速している」と分析。「ジャブカは最終的により大手の小売業者の傘下に入るだろう」と予測した。小売世界2位の仏カルフールやポーランドで食品小売り事業を傘下に置く持ち株会社Empria Holdingがすでにジャブカを狙っているもようだ。

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なお、ペンタは昨年末、ジャブカがチェコで運営するコンビニ81店舗と、地場系チェーンのコルナが展開する47店舗を英小売最大手テスコに10億2,000万コルナで売却すると発表した。取引は4月に成立する見通しだ。(1CZK=4.66JPY)

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